牧師さんのノート16:
「教会の誕生日」




 私は矢板ホーリネス教会の牧師、田中敏信です。
今回は「教会の誕生日」というテーマにしました。

 「イエス・キリストの誕生日なら知っていますが、教会にも誕生日があるんですか」と、ご質問をいただいた事があります。
そうなんです。教会にも、立派な「誕生日」があるんです。教会の誕生日は「ペンテコステ」と呼ばれ、今年は、つい先日「5月27日」にお祝いしました。ちなみに去年は、6月4日で、1昨年は5月15日でした。

 「あっれぇ、毎年誕生日が変わるの」とおっしゃる方がおられるかもしれませんね。
教会の誕生日は、教会のカレンダーの中で「毎年日が変わる移動祝日」なんです。
クリスマスイブは12月24日で、クリスマスは12月25日で、毎年同じ日です。これに対して、イースター(復活祭)と、ペンテコステ(教会の誕生日)は、毎年別の日になります。

 さて、「ペンテコステ」と呼ばれる教会の誕生日です。
「ペンテコステ」という言葉は、日本語では「五旬節(5じゅんせつ)」で、「50日目」という意味があります。
ご参考までに、カメラのメーカーに「ペンタッ…」という会社がありますね。カメラの中に「5角形」のプリズムが使われているカメラのメーカーです。また、アメリカの国防省は「ペンタゴン」と呼ばれますが、国防省の建物が「5角形」をしていて、そう呼ばれているようです。そしてキリスト教の教会の誕生日が、「ペンテコステ(五旬節)」です。

 それで「いつから数えて50日目なのか」ですが、イエス・キリストの復活祭から数えて、「50日目」です。
ちょっと余談です。イエス・キリストがお生まれになったユダヤの国では、当時「太陰暦」が使われていました。月の満ち欠けを基準にしてカレンダーの日付が決められる「太陰暦」ですね。
も一つおまけで、その年の春分の日から数えて「最初の満月の日」の、「次の金曜日」が十字架の日で、その次の「日曜日」が復活祭。ここから50日目が「ペンテコステ」と。
(ふぅ。長いおまけで、すみません。)

 イエス・キリストがお生まれになったのは、ユダヤの国のベツレヘムという町。家畜小屋の片隅の「飼葉おけ」がベット。
教会が生まれたのは、ユダヤの国の首都エルサレム。120人ほどの弟子達が集まっていた「2階の広間」です。
「弟子達の真ん中で、頭のてっぺんに十字架を付けて、白い壁の赤い屋根の教会が、おっぎゃぁ」
まっ!まさか、違いまぁす。

 教会というのは、その時も今も、「イエス・キリストの弟子達の集団」の事なんです。それで「十字架が屋根に付いた教会」は、教会の「建物」で、極端な言い方をすると、教会の「入れ物」です。
ですから、大きなビルの中の一部屋だけが教会だったり、日曜日の午前中だけ「貸し会議室」に集まっていたりする事もあります。建物を持っていない教会もありますし、日曜日になると「□□さんちが教会に」という事もあります。
(すみません。また横道にそれてしまいました。)

 ペンテコステ(五旬節)の朝です。
天に上げられたイエス・キリストのもとから、以前からのお約束のとおり、「聖霊なる神様が来られました。そしてこのお方が、弟子達『ひとりびとりの上にとどまった(使徒行伝2章3節)』と記録されています。
あの誕生の瞬間から、教会は世界中に広がっていきました。そして、およそ2000年の間、教会は生き続けています。

 「あのぅ、田中さん。教会の誕生日には、クリスマスケーキみたいな、ペンテコステケーキってあるんですかぁ。それともサンタクロースみたいな、ペンテクロースって、いるんですかぁ」
「こっほん。あぁ、まじめに書きます」

 教会のイベントの中でペンテコステ(教会の誕生日)は、どちらかというとマイナーです。それで皆さんの中には、ペンテコステをご存知ない方もおられるわけです。
ちなみにペンテコステの日に、私達の教会の「教会学校」を、通りがかりに見ました。教会学校の時間の終わりのころ、「ハッピーバースデー・ディア・教会さぁん」なんて歌っていました。テーブルの上には、お菓子が山盛りで。

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